「なんだか最近疲れやすい」
「便秘がちでお腹が重たい」
「肌の調子もイマイチ」
そんなお悩み、もしかすると腸が原因かもしれません。
最新の研究で、腸内の短鎖脂肪酸が健康や美容に深く関わっていることがわかってきました。
この記事では、2025年6月30日のあさイチで紹介された内容をもとに、腸を元気にするための「腸活」の基本と、今すぐできる実践方法をわかりやすく紹介します。
腸活は年齢に関係ない!50代でも間に合う腸内環境の整え方
腸の動きは年齢で衰える?真実は食生活にあった
「50代になったら腸活しても意味がない?」そんな疑問に対して、専門家の青江誠一郎さんと國澤純さんは「そんなことはない!」ときっぱり否定しています。
年齢とともに腸の動きが落ちてしまうのは確かですが、食生活を工夫すれば腸の状態は大きく変わるのです。つまり、年齢に逆らうことも可能というわけです。
年齢と腸の関係は、筋肉と同じようなもの。年齢で筋力が落ちても、運動をすれば少しずつ回復するように、腸も「いい食べ物」を取り入れれば元気を取り戻します。
特に発酵性食物繊維をしっかり摂ることで、腸内環境を整え、元気な腸を保つことができるのです。
つまり、「もう歳だから」とあきらめるのはもったいない!正しい知識と習慣で、何歳からでも腸活は効果があるのです。
便秘は遺伝する?生活習慣が腸に与える影響
「便秘って遺伝するの?」この質問に対して、専門家の答えは「△(どちらともいえない)」です。
確かに、生まれてすぐ赤ちゃんはお母さんから腸内細菌を受け取ります。だから、便秘がちなお母さんから生まれた子は便秘体質になりやすい…と言われてきました。
でも最近では、お父さんとお風呂に入ることで、子どもが父親の腸内細菌を受け取ることもあるとわかってきました。つまり、便秘は遺伝だけではなく、家族の生活習慣や環境にも影響されるのです。
食べ物の好みや運動量、入浴のタイミングなど、ちょっとした日常の違いが、腸の状態を左右します。「うちは便秘家系だから…」とあきらめず、生活を見直すことが大切です。
家族から受け継がれる腸内細菌の意外なルートとは
実は、腸内細菌は生まれた直後だけでなく、日々の接触の中でも親から子に伝わっていくと言われています。
特に入浴などで肌が触れ合うことが、腸内細菌の共有につながる可能性もあるのです。
最近の研究では、お風呂や一緒に寝ることなどを通じて、お父さんから子どもに腸内細菌がうつるケースも増えていることがわかってきました。
つまり、家族で腸にいい生活習慣を実践することが、子どもの腸にも良い影響を与えるのです。
腸内環境は変えられる!日常生活で意識すべきポイント
腸内環境を整えるためには、まず「食事」と「生活習慣」の見直しが欠かせません。特に次の3つがポイントです。
・発酵性食物繊維を毎日摂る
・発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルトなど)を習慣にする
・ストレスをためず、睡眠と運動も意識する
腸は「第二の脳」とも言われており、ストレスにもとても敏感です。
気持ちを穏やかに保ち、リズムある生活を心がけることが、腸内環境の改善に大きく役立ちます。
視聴者の疑問に答える!専門家が語る腸の新常識
視聴者からの質問に答える形で、多くの腸に関する新常識が紹介されました。
「便秘は遺伝だけではない」
「年齢に関係なく腸は元気になれる」
「生活の中で腸内細菌は増やせる」
など、最新の研究による情報が続々と登場しています。
とくに印象的だったのが「冷ましたご飯で発酵性食物繊維が増える」という事実。
これだけでも、今日からできる腸活があることがよくわかります。
たった1分でOK!小林弘幸流『腸もみ』で自律神経を整える
腸と自律神経の密接な関係
腸と自律神経は、実はとても深い関係にあります。
順天堂大学の小林弘幸さんによると、ストレスや不安、イライラなどを感じると自律神経が乱れ、その影響で腸内環境も悪化してしまうそうです。
そして、腸内環境が悪くなると、さらに自律神経が乱れるという悪循環に陥ってしまうのです。
この悪循環を断ち切る方法として「腸もみ」が注目されています。
腸をやさしくマッサージすることで、リラックス効果が得られ、自律神経のバランスが整い、腸の動きが良くなるというわけです。
腸もみは特別な器具や道具も必要なく、1日1分でできるのが魅力です。
腸もみのやり方:立ってやるバージョン
立った状態でできる腸もみの方法をご紹介します。
1.右手で自分の右側の腰骨を軽くつかみます。
2.そのまま手を上にスライドさせ、骨がない柔らかい場所で止めます。
3.左手で肋骨の下をつかみ、同じように柔らかい部分を見つけて押さえます。
4.両手で優しく30秒ほど揉みます。
5.手を入れ替えて、逆の方向も同じように揉みましょう。
この方法は、腸にある4つの「角」を意識して刺激を与えることが大事です。
強く押しすぎず、気持ちいいと感じる程度で大丈夫です。
お風呂でやる腸もみのコツと効果
腸もみを行うのにもっとも効果的なタイミングが「お風呂」です。
体が温まり、血流が良くなっている状態では腸の動きも活発になります。湯船につかりながら腸もみをすると、さらに効果アップ!
やり方は簡単。湯船の中で、両手で脇腹をやさしく揉むだけ。
左右を交互に、リズミカルに揉んでいきます。お腹全体をまんべんなく揉むようにすると、腸の4つの角が自然と刺激されます。
また、リラックス効果も高まり、入浴後の睡眠の質も向上するという嬉しいメリットも。
まさに一石二鳥の健康習慣です。
仰向けでできるリラックス腸マッサージ
ベッドや布団で横になってできる「仰向け腸もみ」もおすすめです。
寝る前に1分だけでも行えば、自律神経が整い、ぐっすり眠れるようになります。
手順は以下の通りです。
1.仰向けに寝て、両膝を立てて曲げます。
2.両肩を床につけたまま、ゆっくりと膝を左右に振ります。
お腹が左右にねじれるように動かすのがポイントです。
これを約1分間繰り返します。
余裕がある人は、この姿勢のまま脚の上げ下げ運動をしてみましょう。
腹筋にも効いて、腸の刺激もより強くなります。
腸の角を狙え!腸もみ効果を最大化するポイント
腸には「4つの角」があり、ここをしっかりマッサージすることで腸もみの効果が格段にアップします。具体的には次の4か所です。
・右下(盲腸のあたり)
・右上(肝臓の下)
・左上(胃の下)
・左下(直腸の上)
この順番で手をやさしく動かしながら、腸をなぞるように揉むのがポイントです。
時計回りに動かすよう意識すると、腸の動きに合わせたマッサージになります。
毎日の習慣にすれば、便秘やガス溜まりが改善されるだけでなく、心も体も軽くなる感覚が得られるはずです。
やせ体質と美肌をつくる!短鎖脂肪酸のチカラ
短鎖脂肪酸とは何か?注目される理由
「短鎖脂肪酸」という言葉、聞いたことはありますか?
これは、私たちの腸内で作られるとても大切な成分です。
食物繊維が腸内で発酵することで生まれ、腸を元気にするだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。
國澤純さんによると、短鎖脂肪酸に関する研究はこの10年で約15倍に増えているとのこと。それだけ医療や栄養の分野で注目されている成分なのです。
腸活をするなら、この短鎖脂肪酸をいかに増やすかがカギになります。
そのためには、食生活の中で「発酵性食物繊維」を意識して摂ることがとても重要です。
短鎖脂肪酸がもたらす5つの健康効果
短鎖脂肪酸が体に与える良い影響は実に多く、次のような効果が報告されています。
・脂肪が燃えやすくなる → やせやすい体質に
・アレルギーの抑制 → 花粉症やアトピーの改善に期待
・シワやほうれい線を薄くする → 美肌効果
・自律神経が整う → ストレス軽減、心が穏やかに
・免疫力アップ → 風邪を引きにくい体に
これらの効果が得られる理由は、短鎖脂肪酸が腸内の「善玉菌」を元気にしてくれるからです。腸が元気になると、全身のバランスが整いやすくなるというわけです。
どんな食材が短鎖脂肪酸を増やすの?
短鎖脂肪酸を増やすには、まず「エサ」をしっかり与える必要があります。そのエサこそが「発酵性食物繊維」です。
発酵性食物繊維が多く含まれる食材には、以下のようなものがあります。
・ごぼう、れんこん、大根などの根菜
・もち麦、そば、ライ麦パン
・ドライフルーツ(プルーン、干し柿など)
・納豆や味噌などの発酵食品(直接は含まないが腸内環境をサポート)
これらを日常的に摂ることで、腸内の発酵が進み、短鎖脂肪酸の産生量が増えていきます。
発酵性食物繊維と短鎖脂肪酸の深い関係
発酵性食物繊維は、腸内細菌によって「分解・発酵」されることで、短鎖脂肪酸になります。つまり、ただ食物繊維を摂るだけではなく、「発酵性」であることがポイントです。
例えば、キャベツには食物繊維が多く含まれていますが、その中で発酵性のものはごくわずか(100g中0.4g)。一方、ごぼうは100g中10gもの発酵性食物繊維を含みます。まさに腸にとっての“ごちそう”です。
大切なのは、発酵性食物繊維をバランスよく、そして毎日継続して摂ること。継続することで、腸内細菌が喜び、短鎖脂肪酸の量が安定して増えていきます。
最新研究から見える腸内の可能性
國澤純さんによると、短鎖脂肪酸は今や世界中の研究者から注目されています。論文数が10年で15倍に増えているという事実は、腸内の世界がそれだけ進化している証拠でもあります。
しかも最近では、腸内環境の状態が「うんち」でわかるというシンプルな方法まで注目されています。お通じの調子を観察することで、自分の腸が短鎖脂肪酸をしっかり作れているかがある程度わかるのです。
発酵性食物繊維が多い食材と正しい摂り方
発酵性食物繊維が多い野菜ランキング
発酵性食物繊維がたっぷり含まれている野菜は、腸内細菌の“ごちそう”とも言える存在です。
特におすすめしたい野菜はこちらです。
※こちらは野菜だけのランキングです
番組で紹介された発酵性食物繊維が多い食べ物まとめはこちらをご覧ください↓
発酵性食物繊維が多い食べ物まとめ(NhKあさイチ)
野菜名 | 発酵性食物繊維の量(100gあたり) |
---|---|
ごぼう | 約10g |
れんこん | 約6g |
玉ねぎ | 約2g |
キャベツ | 約0.4g |
ほうれん草 | 約0.2g |
この表を見るとわかるように、根菜類が圧倒的に発酵性食物繊維が多いことがわかります。
葉物野菜は一般的な食物繊維は豊富ですが、発酵性という観点では少なめです。
腸活を目的とするなら、根菜類を意識して取り入れると良いでしょう。
加熱野菜vs生野菜:どっちが腸にいい?
「野菜は生のほうが栄養がある」と思っていませんか?実は腸にとっては“加熱した野菜”のほうが嬉しいこともあるんです。
発酵性食物繊維は、加熱することで柔らかくなり、腸内細菌が分解しやすくなります。
たとえば、ごぼうやれんこんなどの根菜類は、生のままだと食べづらいですが、煮物や炒め物にすると摂りやすくなります。
また、加熱することで食物繊維が濃縮されるドライフルーツもおすすめです。特にプルーンや干し柿は、少量でも効率よく発酵性食物繊維を摂取できます。
もち麦、全粒粉、そばが最強の理由
腸活の主食として最強なのが「もち麦」「全粒粉パン」「そば」などの穀物系です。青江さんによれば、これらの食品には発酵性食物繊維が豊富に含まれています。
・もち麦ごはん(1杯):約3.5gの発酵性食物繊維
・ラーメン(1杯):約3.1g(ただし塩分には注意)
・茶色いパン(全粒粉・ライ麦):1枚あたり約1.5g〜2g
白米だけでは足りない部分を、もち麦やそばで補うことで、腸のエネルギー源となる短鎖脂肪酸をたくさん作ることができます。
ご飯は冷ますのがポイント!おにぎり最強説
意外なことに、炊きたての白ごはんよりも「冷ましたごはん」のほうが発酵性食物繊維の量が多くなるんです。
その理由は「レジスタントスターチ」という成分にあります。
炊きたての白ご飯は発酵性食物繊維が1.5g程度ですが、冷めることでレジスタントスターチが増え、2.25gまでアップするのです。
つまり、おにぎりにして冷ましてから食べるというだけで、腸にいい効果が倍増するということ。さらに、温め直す場合は電子レンジがベスト。
内部から素早く温まることで、発酵性食物繊維があまり減らないのが特徴です。
1日5g摂るにはどうしたらいい?実践アイデア
発酵性食物繊維の理想的な摂取量は、1日5g以上とされています。
実際にどう摂ればいいか、下記のような組み合わせがオススメです。
食材 | 分量 | 発酵性食物繊維量 |
---|---|---|
もち麦ご飯 | 1杯 | 約3.5g |
納豆 | 1パック | 約2g |
おにぎり(冷ました白米) | 1個 | 約2.25g |
ドライフルーツ(プルーン) | 2粒 | 約1g |
ごぼうのきんぴら | 1皿 | 約4g |
これらを日替わりで組み合わせることで、無理なく5g以上を毎日摂ることができます。とくに主食を「腸活仕様」にするのがポイントです。
腸活の実践例と効果的な継続方法
発酵食品だけじゃ足りない?便秘に悩む45歳の挑戦
便秘に悩む45歳の岩崎瞳さん。毎日納豆を食べるなど、発酵食品を意識して摂っていたものの、ひどいときには1週間便が出ないことも。実は「発酵食品=腸にいい」は正解ですが、それだけでは不十分な場合もあるのです。
岩崎さんの腸を検査すると、短鎖脂肪酸の量が平均の半分程度と少なめでした。
毎日摂っている納豆には発酵性食物繊維が約2g含まれていましたが、腸内細菌のエサが足りていなかったのです。
つまり、腸内環境を改善するには、発酵食品と発酵性食物繊維の「両方」が必要なのです。
主食の置き換えがカギ!1週間の食生活改善術
そこで専門家が提案したのが「主食の置き換え」。
毎日の納豆はそのままにしつつ、3食のうちどれか1食を「もち麦ごはん」や「そば」に置き換えるという方法です。
具体的には、
朝食:納豆ごはん(もち麦入り)
昼食:冷たいおにぎり+ごぼうサラダ
夕食:味噌汁+全粒粉パン+ドライフルーツ
といった内容で、無理なく発酵性食物繊維をプラスしていくことがポイントでした。
加工食品を減らし、野菜や発酵食品、発酵性食物繊維を中心とした食生活に切り替えることで、腸の調子は次第に良くなっていきました。
実験結果に驚き!短鎖脂肪酸が2倍に増えた理由
岩崎さんはこの食生活を1週間続けたところ、腸内の短鎖脂肪酸の量が2倍に増えたという結果に。さらに、毎日スムーズにお通じがあるようになり、長年の便秘から解放されました。
短鎖脂肪酸は腸内細菌が発酵性食物繊維を分解して生み出すもの。
つまり、食物繊維を増やせば、腸内細菌が元気に働いてくれるというわけです。
そして、改善された腸内環境は、肌の調子や気分の安定、睡眠の質にも好影響を与えることが分かっています。腸は健康の“根っこ”なのです。
ヨーグルトの摂り方で効果が変わる?正しい習慣とは
腸活といえばヨーグルト。短鎖脂肪酸の産生には乳酸菌やビフィズス菌のサポートも欠かせません。ですが、正しい摂り方をしないと、その効果を十分に得られません。
ヨーグルトの菌は腸に数日~1週間ほどしかとどまりません。
だからこそ「毎日食べること」が大切です。そして1日100g程度が目安。飲むタイプでも食べるタイプでもOKですが、「食後」に摂るのが最も効果的です。
さらに、同じ種類ばかりを食べ続けていると、腸内細菌が飽きてしまって働きが鈍くなることも。ヨーグルトは種類を変えて、時には豆乳ヨーグルトやギリシャヨーグルトなどをローテーションしてみましょう。
続けるコツと食べ方のバリエーション
腸活で最も大切なのは「無理をしないで毎日続けること」。
青江さんも「やめてしまうと元に戻ってしまう」と話していました。
継続のコツとしては、
好きな味や食材でアレンジする
朝食やおやつに発酵性食物繊維を組み込む
忘れた日は次の食事でリカバーする家族と一緒に取り組んでモチベーションを保つ
などがあります。
お味噌汁もおすすめで、インスタントの場合は「具だくさん」タイプを選ぶと手軽に食物繊維と発酵成分を摂取できます。
まとめ
腸は体と心の健康を左右する、まさに“第二の脳”。年齢や遺伝に左右されることなく、誰でも正しい知識と実践で腸内環境を改善することができます。
ポイントは3つ。
・発酵性食物繊維を毎日5g以上摂る
・発酵食品と組み合わせて腸内細菌を活性化
・腸もみやストレスケアで自律神経を整える
もち麦、そば、全粒粉パン、ドライフルーツ、納豆、ヨーグルトなどを日々の食事にうまく取り入れながら、無理なく続けられる「腸活生活」をはじめてみましょう。
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